
中年サラリーマンの出口戦略~定年後の収入を確保するためのExit Strategy(2)
今回は、サラリーマンが起業するにあたって考えておくべき事柄についてお話します。これは私自身が脱サラ・起業するときに考えた内容をもとに、一般論としてお伝えできる部分を書き出したものです。
2.中年サラリーマンの起業スキーム ~ 自分はどういう働き方をしたいのか
定年後の働き方
定年後の働き方は大きく3つあると考えられます。雇用延長で会社に残る、再就職する、そして自営業を始めるです。人によっては迷わずに再雇用で会社に残る選択ができる人もいると思います。多くの人は、再就職の可能性を探ってハードルの高さに驚きながら再雇用で会社に残る選択することになるのでしょうか。
自営業を始めるにはさらにハードルが高く準備に時間も金もかかります。そもそも何を事業にするのか、ビジネスモデルは、マネタイゼーションは、資金計画は、ブレークイーブンは、などの戦略を作ることができるのか、自分でもよくわからない人も多いでしょう。
そんなことを考えると、自分には起業は無理だと思えてきます。そんな時はまず自分自身がどんな働き方をしたいのかを考えることから始めましょう。
自分はどういう働き方をしたいのか
20代~40代くらいは、今の生活を乗り切ることを優先しながら、将来の蓄えができるのかを模索する時期だと思います。50代は退職金の予測をしながら蓄えを増やすことが必要になります。60代は会社に残るのか、再就職をするのかの選択を迫られます。
人生のどの場面でも、収入を増やすことを考え、蓄えを増やすことを考えながら生きて行かねばならないのが現実です。
そこで、皆さんにもう一度考えていただきたいのは「自分はどんな働き方をしたいのか?」ということです。”どんな”の中には、職種や会社、自分の年齢、仕事仲間、場所や国などいろいろな要素が含まれます。
自分がほんとにやりたいことは何か
社会に出て、あるいは会社の中で自分がやりたいと思っている職種に就けている人はそう多くはないでしょう。自分の思っていた職種ではないが、やっているうちに面白くなったという人もいるかもしれません。運よく希望の職種に就いたが、自分には無理だと感じている人もいると思います。
社会に出て20年も仕事をしていると、自分の能力や向き不向きが大体わかってくるものです。人生の中で時々、これは自分のやりたい仕事なのか、本当にやりたい仕事は何なのかを考え直す必要があると思います。実行に移すかどうかは別として、時間をかけて自分に問いかけてみるのです。 私の場合は、新卒1年目で「自分は一流のエンジニアにはなれない」と気づいて会社を辞めました。当時はまだ終身雇用真っ只中で、無謀な行動だったのですが“失うものは何もない”と感じてアメリカに逃げました。50才で脱サラ・起業したときは、行動を起こす4年前から考えて、タイミングを逃さずに実行しました。
働く場所はここでいいのか、どこでどう働きたいのか、通勤時間は、環境は
4年間考えたというのは結果論であって、計画していたわけではありません。20年間働いた日本の会社で、たまたまもめごとに巻き込まれて、アメリカに駐在することになりました。端から見れば栄転だったと思いますが、中身は明らかな左遷でした。その時に、日本を離れて「自分はどんな仕事をしたいのか」「どこで働きたいのか」をじっくり考えました。
20年も社会人をやっていると、自分の能力や特性がある程度客観的に見えてくるものです。過去の仕事で楽しいと思ったこと、達成感を感じたこと、身に着けたスキルを思い返して再認識することを意識的にやってみることです。
そして、人生の棚卸しをやってみます。生まれ育った場所と環境、大学で学んだこと、社会人になって経験した職種、身につけた知識とスキルを書き出してみるのです。ビジネスに関するコンピテンシーを自己評価することも大切です。自分の無意識の領域にある動機や価値観を自分自身に問いかけて探し出します。 棚卸の作業をすることで、自分はどんな働き方をしたいのか、どこで、だれと、どんな環境で、を見つけることができます。私の場合はそれが、アメリカで日本企業のためのコンサルタントを一人でやるということでした。
家族とのバランスがとれるかも重要、妻は納得してくれるのか、子供たちは
自分自身の棚卸や働き方を考えることは一人でできますが、家族とのバランスを両立させるのは大変です。子供たちへのアプローチは年齢によって調整が必要になるし、配偶者に対しては正直に話して理解を得て納得してもらう必要があります。それには長い時間が必要です。
私の場合はアメリカ駐在になるキッカケになった会社での出来事を正直に伝えました。その時は起業が目的ではなく、家族を連れてアメリカに移住するための説明でした。そして駐在の期間中に、会社の中での自分の立場がなくなっていることや、独立の可能性を探っている事などを妻に話しました。
子供たちが高校生だったこともあり、時間をかけて家族全員分の永住権を取得しました。子供たちは日本の大学に進学したので、永住権を使うことはなかったのですが、結果的に親がアメリカに残って永住権を活用することになりました。
一つひとつの出来事や行動は理由が別にあったり、単独の事柄ではあるのですが、いくつもの事象が重なって、あるいは意図してそれらを結び付けて、起業に結び付いたことは間違いないと思います。こうやって後になって振り返ると、時間の流れと行動や事柄を結びつけて全体を見ることができるのですが、その当時はそんなことは判らないので、目の前の出来事にどう対処するか、ベストな選択は何かを、その時々で考えた結果に過ぎないとう側面もあります。しかし、起業したいという気持ちが根底にあったこともまた事実です。
次回は
『定年前に副業で独立の準備をしておく』