学校では教えてくれない! 探究横丁【16代目校長の特別授業!】

6月の土曜日に品川の青物横丁の小さなビルの1室でやっている「探究横丁」という自由学習の学校で特別授業をやらせてもらいました。

探究横丁は元教師の佐藤健友さんが主宰している、子供も大人も自由に学ぶ空間です。小さな教室でいろいろな体験をする環境を提供していて、不定期にですが社会で活躍する大人を「校長先生」として迎えて特別授業を行います。

今回私は16代目校長をやらせてもらって、小学校5年生から高校1年の生徒の皆さんと大人を含めて約10人の皆さんにお話をさせてもらいました。

16代目校長の特別授業のテーマは「人生の夢と考える力!」です。

「夢って、持たなきゃダメですか?」

大人も子どもも、誰もが一度は迷うこの問いに、私の歩んだ人生を振り返って話をしました。前半は人生の中で壁にぶつかったときにどうするか、私自身がどうして来たかを振り返ります。後半は「考える力」とは何かを見つける手がかりを提示します。

人生で壁にぶつかったときに最終的には「逃げるか、戦うか」の行動をすることになります。私の場合は二十歳過ぎまでは逃げてばかりでした。二十代半ばで初めて戦いました。その後も逃げたり戦ったりを繰り返してきました。今はゆる~く戦っています。

自分ではどうにもならないことはあるので逃げることは悪いことではないと思います。ただ、そのあとでいつかは戦うステージがあります。逃げるといっても”つまらない”からだとか”ただ苦しいから”と言って逃げるのは良くないし、逃げるときは逃げた後どうするかを考える必要があります。

学校の勉強とちがって世の中には「答えのない問」があふれています。例えば、

  • 宇宙の端っこはどうなっているのか
  • どうして学校に行って勉強しないといけないのか
  • トランプは悪い人なのか
  • どーして男は皆ろくでなしなのか

答えのない問に対してあなたはどうするのか。

  • 知りたいと思うか、見ないふりをするか
  • 自分で調べるか、だれかに聞くか
  • 考えるのは苦しいコト、それでも考えたいと思うか
  • 考えたことを人に話すか、自分だけの秘密にするか

これらをすべて自分で考えて決めなければいけません。そして、その選択が正しいのか間違っているのか、すぐには判らないのです。でも安心してください。答え合わせは、そのうちにできます。あなたが生きている限り。

考える力を身につけるために、大学に行くことを勧めます。大学で学ぶのは知識や技術だけではありません。考えるプロセスを学ぶのです。答えのない問に対して、あなたが自身で考える方法を身に着けるのが大学です。

最後に、昨年2024年のハーバード大学の卒業式のスピーチを紹介します。首席卒業生、シュルティ・クマール氏のスピーチでタイトルは“Power of not knowing”つまり「知らないことの力」です。内容も話し方も、彼女の信念が伝わってくる素晴らしいスピーチです。皆さんも一度見てください。